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緩和ケア医 本日のお勉強

日本呼吸器学会雑誌 2009年1月号
「公器」としての日本呼吸器学会
 東北大学 貫和敏博先生

要約
2007年集計の速報値で
全死亡110万人のうち癌死33万人、
 肺癌死は66,000人で男性12人に1人が肺癌で死亡する時代。
これに対し、呼吸器の専門集団である日本呼吸器学会の 
 会員1万人の多くは肺癌診療に関与している。
加えて誤嚥性肺炎、COPD、肺線維症など加えると
多くの呼吸器医は 本当に多くの終末期に対応しているし、
その中には 専門分野や、医療とは関係のない雑用に追われることも多く、
若手医師が疲弊しはじめている。

まさに、現場の状況を反映した内容です。
貫和先生というのは学会の理事長なのですが、
理事長がこうした現場の声、若手の声にちゃんと耳を傾けてくれている、
というところが 大変すばらしいと思いました。

簡単には対応策・改善策は見つかりません。
ただ、「病気の種類や患者の状況によらず何でもかんでも大病院へ」
という風潮だけは 改善していかないといけないと考えます。

これからは在宅医療が広まっていかないと、
大病院から悲鳴があがるのは 時間の問題だと言えるでしょう。
地域の大病院を守り、地域の医療を守るキーポイント・キーワードは、
一見意外に思えるかもしれませんが 在宅医療を普及していくこと なのです。

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感染症講習会

3月6日広島医師会館で開催された感染症講習会に参加しました。
講師と演題は
1:新型インフルエンザ行動計画(国)の改訂の概要
  広島県健康福祉局健康対策課 積山 宝 氏
2:新型インフルエンザの医学的知見
  県立広島病院呼吸器内科診療部長 桑原正雄 氏 でした。

国は、このたび 新型インフルエンザ対策行動計画を改定しました。
これまでは、発生段階での感染封じ込めを主な目標としていましたが、
今回の改訂では、流行時の社会機能の維持 が主な目標となっています。
つまり、国は、新型インフルエンザが発生した場合に封じ込めは
できない、困難だ、という認識に立ったというわけです。
そこで、これまで対策は厚生労働省が中心であったものが、
全省庁の加わるものとなっています。
感染は防げない、せめて社会機能のマヒは避けよう、ということです。

感染のピーク時には、労働者の欠勤率が40%となると推定されています。
その状態でも最低限の機能を維持できるような対策の立案を
企業や自治体に求めていくことになっています。

40%が欠勤したとき、社会機能はどこまで維持可能でしょうか?
もちろん病院など医療機関の能力も大きく低下することとなります。
国民においては、水食糧や日用品、医薬品の備蓄も求められています。

☆公民館等での「新型インフルエンザ」についての講師
 お引き受けいたします。
知識のワクチン=正しい知識が自分たちの生活と社会を守ります。

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宇宙科学インターナショナル・ワークショップ

3月5日広島大学で開催された宇宙科学インターナショナル・ワークショップ
に参加してきました。
「日本の宇宙医学生物学研究」 というJAXA泉龍太郎博士の講演を
聞くのが主な目的でした。

宇宙に行けば、いわゆる無重力状態のため、
自分で体重を支える必要がなくなります。
このため、体重を支える筋肉が弱ったり、
骨からカルシウムが溶け出したりしますので
「筋骨をいかに保つか」、というのが大問題になります。
そのため宇宙飛行士は毎日2時間の運動・筋力トレーニングが
義務付けられています。
そうしないと、地上に戻ったときに自力で歩けなくなるほどです。

今回、日本人宇宙飛行士の宇宙ステーション長期滞在をきっかけに
骨粗鬆症薬の効果をみる実験なども始まるそうです。

若田宇宙飛行士がおこなう各種の宇宙実験とともに、
こうした宇宙医学生物学実験にも注目したいと思っています。

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ケナコルト 自主回収

皆さんは、花粉症や関節リウマチなどで
「一発筋肉注射をするだけで すっきりよくなる注射」
というウワサを聞いたことがありませんか?
その注射は、ケナコルト という筋肉注射です。

このたび そのケナコルトが自主回収になりました。
http://www.wic-net.com/search/search1011-4.html

ケナコルトは、ステロイド薬であり、
1:ステロイド量がものすごく多い
2:筋肉注射であり効果が長く続く
という特徴があり、いったん注射してしまうと取り消しができません。
つまり、ステロイドの副作用が非常に強く出る薬なのです。
たとえば、高血圧、胃潰瘍、心筋梗塞後、糖尿病、骨粗鬆症などの
人には使用を避けるべき薬なのです。

昔は、田舎の、あまり勉強熱心でない医師(高齢医師)のなかには
この注射を多用している人が各地にいたようです。
なにしろ すぐ効く、よく効く ということは間違いないのですから。
でもその結果、患者さんはステロイド漬け状態となり、いろいろな
副作用が生じ生涯苦しんだり、骨粗鬆症、骨折などでの寝たきりにもなり
大きな問題となりました。
こういった問題医師は、医師会が諭して現役を引退して
いただいたりしていた、という話はあちこちで耳にしました。

今では、いろいろな薬が進歩してきました。
アレルギー疾患でも、関節リウマチでも、良い治療法があります。
大量ステロイド筋肉注射という治療法は
現在では 通常「やってはいけない」治療 と考えられます。
このため、ステロイド治療に精通している我々専門医でも
ごく限られた特殊な条件の患者にしか使用しません。
専門医でない医師が安易に使用しては 問題が生じる危険があります。

患者さんの側でも
「よく効く注射を一発うって下さい」なんていうのは
非常に危険なのだ、ということを御理解ください。
ケナコルト自主回収を機会に、そうした「注射一発」という考えが
消えてゆくことを願っています。

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レセプト(診療報酬)オンライン請求義務化で医療崩壊加速

みなさんは診療所や病院を受診すれば、
支払いについては窓口で支払って終わりですね。
でも、各医療機関は、それでは終わりません。
みなさんが支払うのは、医療費の1~3割の自己負担分です。
医療機関は、残りの7~9割の費用について、
健康保険組合などへ、費用の請求をする必要があるのです。
これをレセプト請求と呼びます。
翌月の月初めに、1ヶ月分まとめて計算し請求しないといけません。
ですから以前は、月初めには医療事務のパートさんを何人も雇用し
徹夜状態で請求書を作成していたものでした。
レセプトコンピュータが導入されて徹夜状態からは解放されましたが、
それでも数日かかって処理し膨大な枚数の紙を打ち出す必要がありました。
もともとコンピュータで処理しているわけですから、
この機械をインターネットなどの回線に接続してオンライン請求にすれば
紙で打ち出すムダな手間暇はなくなる、というのは
自然な発想だと思います。
当院はオンライン請求そのものには賛成です。
昨日は研修会に出席しており時間がありませんでしたので
本日夜にオンライン請求おこなう予定です。(毎月5~10日が受け付け期間です)

しかし、「オンライン請求の義務化」 となると話は別。
国の方針で、診療所(レセプトコンピュータ有)では、
平成22年4月からオンライン請求への移行が義務づけられているのです。
現在、レセコン(レセプトコンピュータ)を導入していない
医療機関も、まだ1割程度ある、とされています。
オンライン請求をおこなうシステム構築については、
レセコン会社の言い値では100~200万円程度の費用が必要です。
(すでにレセコンがある場合の費用。無からの導入では300~500万円)
この費用は、国が負担してくれるわけではありません。
医療機関の自己負担です。

医師が皆パソコンを上手に使いこなせるわけではありません。
高齢者にとっては、困難なことだと思われます。
このため、過疎地で細々と地域を支えてきた高齢の開業医などは
オンライン請求義務化をきっかけに廃業する、とアンケートに答えています。
無理もありません。パソコンに、さわったこともないのですから。
およそ8%程度の開業医、とくに過疎地の開業医が廃業する意向のようです。
それでなくても過疎地の医療は崩壊寸前(場所によってはすでに崩壊)です。
ここで地域の医師が廃業すれば、あとに残されるのは荒涼とした医療砂漠。
負担を強いられるのは、住民なのです。

何もこの時期に「オンライン請求義務化」する必要はありません!!

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